青花八吉祥紋寶月瓶は中国歴史博物館が秘蔵する清代の逸品中の逸品です。寶月瓶は別名「抱月瓶」とも言われている。寶月瓶とは、この瓶の中央に丸い凸部があって、それが月に似ていることに由来している。
この寶月瓶は高さ約49cmで大型器に属し、口ずくりは直口、短頸で腹部は平たく、中央に月に似た凸部がある。頸から肩にかけて一対の扁耳が付き、瓶の底には篆書で「大清乾隆年制」の六文字が青花で焼きこまれている。成形の工程は複雑で頸部、耳、腹部、圏足部等を作り、それぞれを組みたてていく。全て手作業なので相当の技術を持っていなければこのように端正で精緻は作品は出来ないと言われている。
この作品は青花(日本では染付け)で花紋は口縁部と腹辺部に回紋を一周に描き、頸部と圏足部には纏枝、霊枝紋、腹部側面には纏枝番蓮を描いている。腹部中央の寶付き面には「相団花」を描きその外周には回紋を、さらにその外側には覆蓮紋を描いており、寶月面の外側には八蓮弁を対照的に描いている。そして各蓮弁の中にはこの瓶の主題である、法輪(金輪)、法螺(白螺)、白蓋、宝傘、蓮花(妙花)、金瓶、金魚、盤長(吉祥結)、の八つの吉祥紋を鮮明に描いています。
八吉祥は吉祥を象徴する八種の佛具で「佛八寶」とも言われ、チベットのラマ教より伝わった伝統的図案でそれぞれ如来佛の頭、眼、喉、舌、歯、心、躰、足を表していると言われています。
この作品に関して、特筆すべきことは、青花の釉色が均一ではなく、浅く、濃く、そして深く沈み黒色の斑点が目立っている。これは釉薬や焼成の問題では無く乾隆帝の好み(乾隆帝は明宣徳時代の青花の特色である、暈散が生みだす青花の独特の効果を好んだ)に合わせて官窯の工匠が意図的に作ったものです。
この青花八吉祥紋寶月瓶は形は端正で気品があり、かつ、紋様の彩色が鮮明で清の乾隆官窯で作成した超一級の逸品と評価されています。

商品画像①
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商品コード ch1003
概寸 高約42cm x 口径約21cm x 底径約21cm
備考 景徳鎮御窯 製作
標準価格 339,000
ご提供価格 295,000円(税別)